テーマは「過保護の親と子の関係」
父親のマーリンは旅で出会った人たちから「心の余裕を保つ方法」を学んだ。
亀のクラッシュからは「気楽にいこうぜ」と言われたし、相棒のドリーはマーリンがクジラの口の中でパニックになっていたところを、深呼吸させて落ち着かせてくれた。
ドリーやクラッシュたちの共通点はポジティブなことだ。ポジティブだから、自分より大きくて危ないかもしれない魚の言うことを信じられるし、子供が少し危険な目に合ってもどーんと構えていられる。(可愛い子には旅をさせられるということ)
海の中は危険であふれている。マーリンが知らないことはたくさんある。
それを、ポジティブな人は未知だが自分にとって利益のあるものかもしれない、または神秘と捉えるが、ネガティブな人は脅威と捉えるだろう。だからネガティブな人はそもそも冒険をしない。ネガティブな人はネガティブゆえに退屈な人生を送るが、ポジティブな人はネガティブな人が得られなかったものを得ることができる。自分が知らなかったことに出会って感動したり、色んな友人を持つことができたり、海にあるものは彼らにとって遊園地になるだろう。
マーリンに余裕がないのはネガティブだからとも言えるが、正確にいえば希望を信じるのが怖いからだと思う。希望とはクジラに食べられずにクジラの口の中から脱出できると信じることや、ニモ探しを手伝ってくれる仲間がいると信じること、息子のニモは親がついていなくても上手くやっていけると信じること、パパ友たちは自分の話が面白くないからって笑ったりしないと信じることなどだ。希望をもつことは勇気がいる。その希望が裏切られたとき傷つくからだ。旅をする前の過保護なマーリンは臆病ゆえに信じることができなかった。
無事ニモと再会を果たし、旅から帰ってきたマーリンはパパ友たちと緊張せずに話せるようになっていたし、ニモへの過保護もなくなっていた。それは旅の中で信じることを学んだからだと思う。この場合なら、ニモを信頼するということだ。
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